膝の痛み
膝の痛み
壮年期以後の膝痛の代表的疾患で、膝関節の軟骨が加齢や負荷ですり減った状態です。内側型がほとんどですので関節の内側に痛みがあり、だんだんO脚変形になってきます。長時間の歩行や階段を降りるときに痛みが出てきます。また進行すると膝が曲がりにくくなります。診断は立位レントゲン像で行われ、5段階に分類されます。
リハビリ、消炎鎮痛薬の処方、ヒアルロン酸などの関節注射が中心になりますが、最も大切なことは歩ける膝を維持するため筋力訓練をしっかり行うことです。大腿四頭筋訓練は関節症の進行予防にもつながります。また膝の荷重軸を変える足底板療法も有効です。変形が進行してしまうと脛骨骨切り術、人工膝関節などの手術の適応に入ってきますが、当院では手術以外の方法でできることをまず考えます。(とはいえ手術したほうがいい場合もあり、それはそれではっきり申し上げます)治療方法でお悩みの場合はご相談ください。
変形性膝関節症と同じく膝の内側が痛みますが、より痛みが強く夜間痛を伴います。初期にはレントゲン所見に乏しいため早期診断にはMRIが必要です。壊死が生じる原因は不明ですが局所の循環障害が一因ともいわれます。壊死した骨が陥没を起こすとそれに伴い軟骨面も不整となり疼痛が悪化します。
壊死した骨はそのままでは治癒しないことが多く、荷重部で範囲の広い場合では最終的には手術となることも多い疾患です。
膝の裏に関節液がたまり深く屈曲することができなくなります。症状がかるいものは経過をみていてよいことが多いです。
ある程度大きくなり膝の屈曲のじゃまになっているものは穿刺して関節液を抜きます。
炎症の強い例では生活動作指示と消炎鎮痛剤の処方を行うこともあります。
半月板は膝のクッションの役割をしている軟骨です。スポーツによる断裂のほか加齢による変性でも生じます。
スポーツ外傷では急激な方向転換で生じることが多く、受傷すると関節の腫れとともに断裂部がめくれて関節の間にはさまりロッキング(膝が伸びない、曲がらない)を起こします。
若年者では早い段階から内視鏡手術を検討しなければならないこともあります。一方壮年期で生じる変性断裂は半月板自体の保水性がなくなることが原因ですからこちらは変形性膝関節症に準じた治療が有効です。(頻繁なロッキングを生じる例では手術をお勧めします)。