首の痛みと肩こり
首の痛みと肩こり
首の後ろから肩にかけて重い痛みのある「肩こり」は主に頸椎から起こる僧帽筋、肩甲挙筋の緊張と血流の悪化により生じます。筋緊張が後頭部まで及ぶと頭痛を伴います。仕事中の姿勢、運動不足、冷房などが原因として多いのですが、生来なで肩(Straight Neck)の方はなりやすい傾向にあり、また加齢による頚椎の変形(頚椎症)も関係します。症状の度合いは患者さんごとに様々です。
基本的には温熱療法、理学療法での改善が期待されるためリハビリが加療の中心になりますが、疼痛、緊張のひどい場合はご相談いただき、内服薬の処方やブロック療法も可能です。筋力低下も原因になるため運動療法も有効です。
加齢による頸椎の変形、椎間板の摩耗により痛みが生じる状態です。くびの動きがわるくなるため緊張が生じ肩こりの原因になります。レントゲンで診断されますが、なにもしないでいるとだんだん首の動く範囲が少なくなってきます。
理学療法、物理療法などリハビリテーションが主体となります。ふだんから自宅でできる体操も大切です。痛みがある場合には内服・外用薬を処方することも可能です。
交通事故後に生じますが、受傷時より翌日に痛みが悪化して受診される患者さんが多数です。数日間は痛みが強く、上を向いたり首を回すと痛みが強くなります。頭痛、吐き気をともなうこともしばしばあります。レントゲン検査は必須ですが、症状が強い、または長引く場合はMRIを行い神経周囲や椎間板のチェックをする必要があります。
受傷数日は安静につとめ、疼痛が強い場合は頸椎固定(ソフトカラー)をおすすめしています。消炎鎮痛剤、筋緩和剤の内服で急性期の疼痛を抑え、痛みが半減した時期に理学療法に移行します。
椎間板が変性することで髄核が後方や後側方に脱出し、脊髄や神経根を圧迫する病気です。第5~6頚椎間、第6~7頚椎間、第4~5頚椎間の順に多くみられます。頚部や肩の痛み、脊髄性の場合は手全体や下肢の麻痺、しびれ。神経根性の場合は片方の上肢に放散する痛みやしびれ、麻痺を生じます。MRIにより確定診断されます。
痛みの強い時期には安静を心がけ、消炎鎮痛剤、座薬または神経ブロックで痛みを和らげます。痛みが軽減したのちに理学療法に移行します。しかし当初から麻痺を認めるなど神経症状が強い場合には早急に手術をおすすめしなければならない事例もあります。